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広島別院・安芸教区について

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共命鳥について

共命鳥(グミョウチョウ)は、一つの身体に二つの頭をもつ鳥です。考え方、生き方が違っていても、そのいのちはつながっているという、鳥に姿をかえられた仏さまのみ教えを表しています。
「すべてのいのちの尊さや、存在を大切にしあう社会」のシンボルが共命鳥です。戦争をなくし、平和を願う安芸門徒のシンボルとしてかかげます。

共命鳥の説法について

『阿弥陀経』にお浄土に住む鳥の名前が六つ出てきます。その中に「共命之鳥」といい、美しい羽毛をもち、きれいな声で鳴く鳥がいます。体が一つで頭が二つある奇妙な鳥ですが、大切な法を説いています。
多くの共命の鳥の中でも、とりわけ素晴らしい鳥がいました。しかし、二つある頭のいずれもが「わたしの頭の羽毛は比類なく美しく、声も世界一美しい」と確信し主張し合いました。そして互いに憎みあい争うようになり、遂には「片方さえ亡きものにすれば、この私が世界一になれる」と考えるようになり、ある日密かに毒を混ぜ、片方に食べさせました。食べた方はもちろん死にましたが、食べさせた方も体が一つですから、死んでしまいました。
この愚かな事件があってから、お浄土の共命の鳥は「他を滅ぼす道は己を滅ぼす道、他を生かす道こそ己の生かされる道」と鳴き続けていると申します。これは鳥の姿に表された仏さまのみ教えであります。
条件が変われば何をするかわからぬ人間がつくっている社会であり、いたずらに対立をあおらず、常に他のいのちとのつながり、いのちのぬくもりを大切にと願わずにはおれません。